今この記事をご覧の方は椎間板ヘルニアの痛みに苦しめられていることと思います。では、ヘルニアの治療って具体的にどのようなものがあるのでしょうか？当記事では椎間板ヘルニアの治療についてご説明していきたいと思います＾＾
椎間板ヘルニアの治療ってどんなものがあるの？
椎間板ヘルニアの治療方法は大きく下記の２つに分かれます。
①保存療法
②手術療法
この治療法は、椎間板ヘルニアの症状の程度、日常生活にどの程度影響が出ているかによって、医師とし相談し、選択していきます。
ヘルニアと診断された場合、まずはじめに保存療法でヘルニアの改善を目指していきます。保存療法を数か月継続しても改善を見込めない場合、ヘルニアの程度・症状が重篤な場合、医師の判断により手術療法を選択していくこととなります。ここでは保存療法と手術療法についてご説明をしていきたいと思います。
保存療法って何？
保存療法とは手術をしてヘルニアを治療するのではなく、ヘルニアから起こっている症状を薬や注射、運動・リハビリテーションを行うことで治療・改善していくという方法です。
ここでは３つの保存療法（①内服薬、②ブロック注射、③理学療法（リハビリテーション）をご説明していきます。
①内服薬
薬を服薬することに、飛び出しているヘルニアをひっこめる働きはありません。しかし、薬で痛みをとること、炎症を鎮めることはヘルニア治療において大きな効果をもたらします。
・非ステロイド性消炎鎮痛薬（NSAIDｓ）
これはいわゆる消炎鎮痛剤（痛み止め）です。「ロキソニン」「ボルタレン」などがあり、実際に処方されたり、耳にしたりしこのたことある人がほとんではないでしょか。また、この痛み止めに加えて、筋肉の緊張を緩める効果のある筋緊張弛緩薬（リンラキサーなど）を使うことで、重度なヘルニアの痛みも改善できる場合があります。
・リリカ、トラムセット
上記の痛み止めで効果が得られなかった場合、もう一段階進む場合、リリカやトラムセットが処方されることが多いです。リリカは最近テレビなどでも紹介される機会も多くなった薬で、神経に働きかけ痛みの神経物質が出るのを抑えてくれます。
ただ、これらの薬は効果がやや強めな分、副作用（めまい、眠気、吐き気など）もみられる場合があるので注意が必要です。副作用が見られた場合は主治医と相談することが必要です。
②神経ブロック注射
これは神経やその周辺に麻酔の注射を打ち、神経の炎症を抑えて痛みをとる方法です。
神経ブロック注射には仙骨硬膜外ブロック、腰部硬膜外ブロック、神経根ブロックなどがあります。
一番多く行われているものが仙骨硬膜外ブロックで、お尻（仙骨）の部分に注射を打ちます。比較的簡単で安全性も高いといえます。
仙骨硬膜外ブロック、腰部硬膜外ブロックなどを行なっても痛みが軽減されなかった場合、最後の選択肢として「神経根ブロック」が行われます。
神経根ブロックとは痛みを発生させている神経に直接麻酔を打ちます。そのため、大きい治療効果が期待されます。
③理学療法（リハビリテーション）
ここは私たち理学療法士の専門分野です。椎間板ヘルニアで理学療法（リハビリテーション）を受けに来る患者さんは大勢いらっしゃいます。
牽引療法（関節をひっぱる）や温熱療法、関節可動域運動、ストレッチ、AKA、トリガーポイント療法、筋力トレーニング、マッケンジー体操の指導、動作の方法の指導などをヘルニアの症状によって選択し、施術していきます。
手術療法って何？
まずは保存療法で治療を開始しますが、数か月たっても効果が認められない場合や椎間板ヘルニアの症状が進行する場合（足の痺れや感覚障害、運動麻痺、膀胱直腸障害の出現など）は手術療法の選択を視野に入れていく必要があります。
手術は椎間板をとって上下の骨を癒合させる方法やヘルニアの髄核を摘出する方法があります。手術によってヘルニア部の摘出が行われると、神経の圧迫が解放されます。手術後はコルセットを装着し翌日より理学療法士によるリハビリが開始されます。術後の経過をみながら、筋力トレーニングや立位訓練、歩行訓練が実施されます。
椎間板ヘルニアにおいて、保存療法で改善を図ることは大変重要です。医師と相談しながら、薬物療法やブロック注射を行いながら、自宅でできる運動・治療を行ってください。自分でできる椎間板ヘルニアの治し方は下記にまとめていますのでご覧に頂けると幸いです＾＾
腰椎椎間板ヘルニア５ 椎間板ヘルニアのストレッチ「マッケンジー体操」
腰椎椎間板ヘルニア６ トリガーポイントの痛みを改善させるストレッチの方法