腰部脊柱管狭窄症3の記事では腰部脊柱管狭窄症の症状を改善するために行う5つのことをご説明しました。おさらいすると下記となります。
①脊柱管の狭窄を強めない生活を送る
②脊柱管の狭窄部位の除圧
③トリガーポイント(圧痛点)からくる痛みを改善する
④ストレッチで腰や足の硬くなった筋肉を柔らかくする
⑤筋トレで弱くなった筋肉を鍛える
これらを腰部脊柱管狭窄症の人は行う必要があります。この記事では⑤筋トレで弱くなった筋肉を鍛える方法についてご説明したいと思います。
腰部脊柱管狭窄症の筋トレとは?
こちらの記事(腰部脊柱管狭窄症4 脊柱管の狭窄を強めない生活を送る方法)でもご説明した通り、脊柱管狭窄症の症状は腰を反る姿勢で悪化します。ということは、腰を反らせないようにする必要があるということです。
1つ前の記事(腰部脊柱管狭窄症7 脊柱管狭窄症のストレッチ)でもお話ししたように、筋肉が硬いと腰が反る原因となります。しかし、筋力が強ければ、硬い筋肉によって腰が反る方向へ引っ張られたとしても、それを抑えることができます。また鍛えられた筋肉は動作時の体幹(背骨)を安定させ、脊柱管が狭窄することを抑えることが出来ます。このことから腰部脊柱管狭窄症の人は筋トレが必要となってくるのです。では、具体的にどの筋肉を筋トレするのでしょうか?
腰部脊柱管狭窄症の人が筋トレをする筋肉は?
腰が反らないようにする筋肉、これは少し専門的な言い方にすると、腰椎の後弯・骨盤の後弯の方向に作用する筋肉を鍛えるということです。その筋肉はインナーマッスル(腹筋)とお尻の筋肉(大殿筋)です。
腰部脊柱管狭窄症ののインナーマッスルの筋トレ方法
初級編から上級編までの3つの筋トレをご紹介したいと思います^^ご自身の筋肉の状態に合わせて可能なものから始めてみてください。
①インナーマッスル初級編:お腹ひっこめ運動(いわゆる腹式呼吸)
1、寝た姿勢で、両手をお腹の上にのせます。
2、しっかり息を吸い、お腹をひっこめるように力を入れながら息をゆっくり吐きだします。このとき、背中で床を押すようなイメージで力を入れましょう。(写真では分かりにくいですね・・・^^;)
3、そして、お腹に力を入れながら、お尻と足の付け根を少しだけ上方向へ持ち上げます。下の写真の矢印のようにお腹は下方向へ力を入れ、お尻・足の付け根は上方向に力が入ることで、腰の反りが改善します。
お腹全体に力が入っていることを確認しながら行いましょう。
10回を1セットとして、1日3回行いましょう。
②インナーマッスル中級編:腹筋運動
1、寝た姿勢で両ひざを立て、両手をお腹の上にのせます。
2、しっかり息を吸い、お腹に力を入れ、息をゆっくり吐きだしながら頭を3cm浮かせます。
3、そして、お腹に力を入れながら、お尻と足の付け根を少しだけ上方向へ持ち上げます。下の写真の矢印のようにお腹は下方向へ力を入れ、お尻・足の付け根は上方向に力が入ることで、腰の反りが改善します。
お腹全体に力が入っていることを確認しながら行いましょう。
10回を1セットとして、1日3回行いましょう。
③インナーマッスル上級編:体幹バランス運動
1、四つ這い姿勢をとります。
2、しっかりと息を吸い、右手と左足(もしくは、左手と右足)を前方へ伸ばします。
お腹全体・背中・お尻に力が入っていることを確認しながら行いましょう。
左右交互に10回繰り返しましょう。10回を1セットとして、1日3回行いましょう。
次は
お尻(大殿筋)の筋トレ
1、うつ伏せになり、片足を天井方向へ持ち上げます。(写真が撮れ次第アップします)
お尻の筋肉に力が入っていることを確認しながら行いましょう。
左右交互に10回繰り返しましょう。10回を1セットとして、1日3回行いましょう。
腰部脊柱管狭窄症の人はインナーマッスル(腹筋)とお尻(大殿筋)筋トレは必須項目です。正しい方法で筋トレをすればきちんと効果があります。インナーマッスルとお尻の筋肉を鍛えて脊柱管の狭窄を強めている腰の反りを改善させましょう!これで腰部脊柱管狭窄症の人が行う必要のある5つの項目(下記)が終わりました^^
①脊柱管の狭窄を強めない生活を送る
②脊柱管の狭窄部位の除圧
③トリガーポイント(圧痛点)からくる痛みを改善する
④ストレッチで腰や足の硬くなった筋肉を柔らかくする
⑤筋トレで弱くなった筋肉を鍛える
長かったと思いますが、読んで下さってありがとうございました!この記事が腰部脊柱管狭窄症で苦しんでいる方のお役に立ちましたら理学療法士としてこれほど嬉しいことはありません^^
理学療法士 川島幸子