現役!理学療法士が教える30の腰痛改善法

日本人の80%が経験したことがある腰痛。体の専門家である理学療法士からの視点から、その改善方法をお伝えします。


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猫背矯正法

猫背矯正法2 タイプに応じた猫背矯正法

更新日:

猫背矯正法1の記事では自分の猫背がどのタイプの猫背なのか確認しましたね。

①一般的な猫背タイプ

②一般的な猫背 + 骨盤の前傾タイプ

③一般的な猫背 + 骨盤の後傾タイプ

まだ、自分の猫背タイプがわからない人はコチラ(猫背矯正法1 あなたの猫背は何タイプ?)から猫背タイプチェックを行ってみましょう。

タイプ別の猫背矯正法

3つの猫背タイプにおいて共通して行う必要のあるものは下記の4つとなります。

①猫背になった背中の矯正

②硬い筋肉のストレッチ

③矯正するために必要な筋トレ

④日常生活中で猫背にならない姿勢矯正

上記の4つに加えて、

⑤「骨盤の前傾タイプ」の人の骨盤体操(骨盤の後方へ向けての柔軟性の改善)

⑥「骨盤の後傾タイプ」の人の骨盤体操(骨盤の前方へ向けての柔軟性の改善)

これらをそれぞれ行う必要があります。上記の猫背矯正法①~⑥については次の記事から1つずつ詳しく説明していきます。その前にここでは、これらが必要な理由について簡単に確認していきましょう。

①猫背になった背中の矯正

もともと、私たちの背中はゆるやかに曲がっていますが、猫背になるとその曲がりが強くなります。背中が曲がる方向(おじぎ方向)への動きが強くなるために、逆方向の体を後方へ伸ばす(背中を反らす)方向への関節可動域の範囲が減少・制限されていきます。

まだ、あなた自身の年齢が若く、背中の曲げる伸ばす方向への関節の可動域が保たれている状態であれば、状況はそこまで悪くないと言えます。しかし、猫背をずっと放置しておくと、背中を伸ばす方向への関節可動域がどんどん減少していき、重度化すると正常な可動域まで背中を伸ばすことが出来なくなる場合もあります。それが続くと、背中の関節は変形し、拘縮(骨が曲がったまま固まること)へと進んでしまいます。拘縮まで進行すると、残念ながら自分自身の力で矯正することは不可能となります。できるだけ早期に背中の矯正を行う必要があります。

②猫背のため硬くなった筋肉のストレッチ

猫背姿勢が続くと、首から肩、背中、胸の筋肉の柔軟性が低下して、カチカチに硬くなっていきます。この筋肉の硬さをそのままにしていると猫背姿勢はどんどん進行していきます。また、猫背を矯正しようと背骨を伸ばそうとしても、硬くなった筋肉によって再び猫背姿勢に戻されてしまします。よって、猫背矯正を行うにあたって硬くなった筋肉をストレッチして柔軟性を改善しておく必要があります。また、ここで大切となってくるのは、自己流のストレッチではなく、きちんとした運動学や解剖学に基づいたストレッチの方法で行うことです。

③猫背を矯正するために必要な筋トレ

猫背姿勢が続くと、関節の可動域は減少・制限され、筋肉は柔軟性が低下して硬くなります。そうすると、制限された関節の動きと、硬い筋肉の元では筋力も低下してきてしまいます。また、猫背姿勢が続くと本来背筋を伸ばのに必要であった筋肉を使わない状態でいるということになるので、背筋を伸ばす働きのある筋肉の筋力が次第に低下してきてしまいます。一つ例をあげてみると、腹筋です。あなたのお腹はどうですか?下っ腹がボヨンと出ていませんか?ウエストのくびれはありますか?シックスパックが現れるほどの筋力は必要ありませんが、ある程度の筋力が猫背矯正には必要となってきます。また、筋力が改善したら、自分で意識しなくても、姿勢を猫背にならなくなります。よって、猫背矯正には筋トレが必要となります。

④日常生活中で猫背にならない姿勢矯正

日常生活において、スマホや使用しているときの姿勢、パソコンを使っているときの姿勢、事務作業で椅子で前かがみになって座っている姿勢、電車に乗っている姿勢、長時間立っているときの姿勢などなど。これらの姿勢をとっているときの自分を思い出してみてください。猫背姿勢になっていませんか?この姿勢は猫背を誘発しやすい姿勢であると言えます。まずは自分自身が無意識に猫背になっている姿勢を知り、意識的に猫背を矯正していくようにする必要があります。上記で示した関節可動域運動やストレッチ、筋トレを行っていけば、この猫背を誘発しやすい姿勢をとっていても猫背にはなりにくくなりますが、最初のうちは自分自身で意識をして猫背を矯正していかなければなりません。

⑤骨盤の後方へ向けての柔軟性の改善(骨盤の前傾タイプ)

一般的な猫背+骨盤の前傾タイプの人は上記の①~④の内容に加えて、この⑤骨盤の後方へ向けての柔軟性の改善も行っていく必要があります。今まで、猫背矯正を行っても時間とともに再び猫背に戻ってしまった人、なかなか思ったような効果が出なかった人はこの骨盤の後方へ向けての柔軟性の改善を行っていなかった可能性があります。骨盤が前傾しているままでは、腰の前弯が強くなるために、その影響から猫背になりやすくなります。よって、骨盤の前傾についてもしっかり矯正をしていかないと猫背は治りません。背中と骨盤はつながっていますので、骨盤の矯正については異常がある場合には必ず行う必要があります。

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⑥骨盤の前方へ向けての柔軟性の改善(骨盤の後傾タイプ)

一般的な猫背+骨盤の後傾タイプの人は上記の①~④の内容に加えて、この⑥骨盤の前方へ向けての柔軟性の改善も行っていく必要があります。今まで、猫背矯正を行っても時間とともに再び猫背に戻ってしまった人、なかなか思ったような効果が出なかった人はこの骨盤の前方へ向けての柔軟性の改善を行っていなかった可能性があります。骨盤が後傾しているままでは、背骨の腰にあたる部分が丸くなってしまうため、背骨から腰にかけての広範囲で猫背となってしまいます。よって、この広範囲の猫背を矯正するには骨盤の後傾についてもしっかり矯正をしていかないと猫背は治りません。背中と骨盤はつながっていますので、骨盤の矯正については異常がある場合には必ず行う必要があります。

猫背は一朝一夕では矯正できません。それは上記の①~⑥までを読んでいただいてもお分かりになるように、猫背には複雑な原因が折り重なっています。1種類の運動で矯正できるようなものではありません。本気で猫背を矯正したい人はぜひ、この①~⑥の猫背矯正法に取り組んでください。効果を実感できるはずです。

次の記事から上記の①から順番にご説明していきたいと思います。長くなりますが、理学療法士としての知識と経験があなたの猫背矯正に少しでもお役に立てば幸いです。


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