腰椎椎間板ヘルニア3の記事で症状を改善するために行う5つのことをご説明しました。おさらいすると下記となります。
①椎間板の負担を減らす動作方法
②マッケンジー体操のストレッチ
③トリガーポイント(圧痛点)からくる痛みを改善する
④ストレッチで腰や足の硬くなった筋肉を柔らかくする
⑤筋トレで弱くなった筋肉を鍛える
この5つを腰椎椎間板ヘルニアの人は行う必要があります。
この記事では②マッケンジー体操のストレッチという椎椎間板の髄核のズレをもどす方法について勉強していきたいと思います。
椎間板ヘルニアのストレッチ「マッケンジー体操」って何?
マッケンジー体操という名前を聞いたことがありますか?マッケンジー体操は一般の方にはあまり知られていない方法だと思いますが、私たち専門家の世界では誰もが知っているヘルニア改善の方法であり、世界的にも腰椎椎間板ヘルニアに対して効果をあげています!
最近では時々テレビでヘルニア改善に効果的な方法として「マッケンジー体操のストレッチ」の特集が組まれることもあり、徐々に認知度は上がってきていますが、現状はまだまだ知らないという人がほとんどではないでしょうか。腰椎椎間板ヘルニアといえば「マッケンジー体操のストレッチ」です。
ぜひ、この機会に一緒に勉強しましょう!
腰椎椎間板ヘルニアのストレッチといえば「マッケンジー体操」
これから紹介するマッケンジー体操は腰椎椎間板ヘルニアにおいて、腰痛の原因の根本でとなっている圧迫されている椎間板の内部にある髄核の位置を元の場所に戻すように働きかけ、腰痛を改善させるストレッチです。(髄核についてはコチラ→腰椎椎間板ヘルニア1)
このマッケンジー体操は私と同じニュージーランド在住の理学療法士、ロビンA・マッケンジー氏によって考案されたもので、従来では腰痛がある場合には禁忌とされていた腰を反る方向へ動かすという画期的な方法です。これは正しく行うことでヘルニアに大変効果をあげることが出来るため、現在では多くの整形外科や整体院でマッケンジー体操のストレッチが指導されています。
マッケンジー体操のストレッチでは寝ながら腰を反らす姿勢(腰痛の時はあまりしたくない姿勢・・・と思う人がほとんどだと思います)でストレッチをしていくので、初めは不安があるかもしれませんが、実際に効果を上げている方法ですので、じっくり読み進めてみて下さいね^^まずはストレッチを行うにあたり基本的なルールがあるのでそれをご紹介します。
ストレッチの基本的ルール
①しっかりと呼吸をしながら行います。息を止めないように注意しましょう。
②ストレッチ時間は個別に指定されている時間を守りましょう。短すぎると筋肉のストレッチ効果がありませんので、ご注意ください。
③戻すときはゆっくり戻します。勢いよく戻さないようにしましょう。
④腰痛が出現した場合は中止しましょう。
ストレッチを行う回数
理想は朝・昼・夜の3回以上ですが、最初は出来る回数・頻度からスタートしてみましょう。また、ストレッチによっては個別に回数を指定されているものについては、それを守るようにして下さい。また、回数を多くすることも大切ですが、何よりも毎日継続することが重要になってきますので、時間がないときは1種類のストレッチでもかまいませんので、継続して取り組み腰痛を改善していきましょう^^
1.軽めのマッケンジー体操のストレッチ:まずは体を慣らします
①うつぶせ寝が出来るか確認します。
②うつぶせ寝が出来た人はひじ立て姿勢になります。両ひじを肩の下に置いて上半身を支え、腰を反らす姿勢をとり、腰の辺りの力を抜いてリラックスさせ3~5分保ちます。
※上記のマッケンジー体操は負荷を大変低く設定していますので、この姿勢をすることが困難な人は、今は安静にし、落ち着いてから行うようにしましょう。
腰痛はいかがですか?腰痛が悪化していないことを確認したら、次の段階のマッケンジー体操のストレッチへ進みましょう。
2.基本のマッケンジー体操のストレッチ
これが基本となりますので、ぜひ覚えておきましょう^^
①うつぶせ寝をとり、顔は前方に向け、あごを下につけリ力を抜きラックスします。
②両肩の下に両方の手を置き、わきを軽くしめます。
③少しずつ肘を伸ばし、ゆっくり上半身を持ち上げていきます。必ずゆっくり行いましょう。
④両肘を伸ばして、上半身を反らした姿勢をとります。腰の辺りの力を抜き、リラックスさせ、1~2秒保ちます。これを10回繰り返します。このストレッチを朝・昼・夜の3回、行いましょう。
3.職場や外出先でのマッケンジー体操のストレッチ
基本のマッケンジー体操のストレッチを行う場所や時間がないときはこちらを行いましょう。
①両足を肩幅に開いて立ち、両手を腰へ添えます。
②両手を支点として、上半身を後方へ反らし1~2秒保ちます。
これを10回繰り返しましょう。仕事や家事の合間を見て、2~3時間おきに行います。
4.壁押し体操(基本のマッケンジー体操のストレッチを行っても痛みが改善しない人はこちらを行いましょう)
用意するもの:丸めたバスタオル
①痛みのない側を壁に向け、壁から30~40㎝離れ、両足をそろえて立ちます。
②用意していた丸めたバスタオルを腕と壁の間に挟み込んで、上半身を壁の方向にもたれかかるようにします。
③痛む側の腰に手を添えて、出来るだけ壁側に押し付けるように力を加え、1~2秒保持し、その後、手を添えたまま力を抜きます。
これを10回繰り返します。
写真※1
基本のマッケンジー体操のストレッチを行っても腰痛が改善しない場合はこの壁押し体操を朝・昼・夜の3回行いましょう。痛みの範囲が腰の中央に移動してきたら、基本のマッケンジー体操のストレッチと合わせて行います。痛みに変化が表れてきたら、基本のマッケンジー体操のストレッチだけを行うようにしましょう。
5、ひざ抱え体操(基本のマッケンジー体操ストレッチで腰痛が改善した人はこちらを行いましょう)
基本のマッケンジー体操のストレッチで腰痛が改善してきたら、腰の柔軟性を保つために、腰を反らすのとは反対方向の腰を曲げる方向の柔軟性も保っていく必要があります。
①仰向けに寝て両膝を曲げます。この時、足の裏は床につけたままにします。
②両手で膝を抱え、腰の上に引き上げる
出来る限り膝を胸に近づけ1~2秒保ちましょう。これを10回繰り返します。腰の柔軟性を保つために、朝・昼・夜の3回行いましょう。
いかがでしたか^^?
マッケンジー体操のストレッチは腰椎椎間板ヘルニアに対して世界的に効果をあげている方法です。腰椎椎間板ヘルニアでお悩みの方は上記の内容を熟読して頂いて、自分の症状と照らし合わせてから正しい方法でストレッチを行ってみてください。このマッケンジー体操を継続して取り組むことで、自分自身で腰痛を改善させることができます。
腰椎椎間板ヘルニアといえば、「マッケンジー体操」です!頑張ってみましょう^^
次は、トリガーポイント(圧痛点)からくる痛みを改善する方法です。硬くなった筋肉をゆるめるストレッチ方法を筋肉別にご紹介しています。こちらも覚えてしまえば自宅で簡単に実践することが出来ます^^ヘルニアでお悩みの方はぜひ、ご覧ください。
免責事項
※ストレッチを行う際は、方法・注意点をよく読み、自己責任においておこなってください。
※ストレッチを行うことで痛みが悪化する場合は、速やかにストレッチを中止してください。
写真※1 リハビリテーション雑誌より引用